アパート経営は儲からない?成功するための秘訣と始めるメリットを解説
アパート経営とは、アパートを1棟丸ごと所有し、各部屋を賃貸して家賃収入を得る不動産事業のことです。安定して収入が得られる反面、必ずしも利益を出せるとは限らないため、「アパート経営は儲からない」ともいわれます。今回はアパート経営が儲からないとされる理由や対処法、アパート経営のメリットなどについて解説します。
アパート経営が儲からないといわれる理由とは
アパート経営がもうからないとされる理由は、経済的負担や経営の負担が大きいからです。ここでは、4つの儲からないとされる理由について解説します。
入居率を高く保つのが困難だから
1つ目の理由は入居率を高く保つのが困難だからです。入居率は不動産事業でとても重要な数値です。
不動産会社が提示する利回りは、入居率が100%である状態での利益率です。そのため、入居率が下がってしまうと、それだけ利益が目減りしてしまいます。
新築直後は建物が新しいため比較的高い入居率ですが、建物が経年劣化するに従い、入居率が減ってしまいます。また、建物が古くなれば入居率を上げるために、家賃低下を余儀なくされるかもしれません。そのため、年々収入が目減りしてしまう可能性があるのです。
経営ノウハウを手に入れるのが大変だから
2つ目の理由は経営ノウハウを手に入れるのが大変だからです。アパートを経営するうえで無視できないのが経費の問題です。
定期的に発生する修繕費や税金、保険料など、アパートを維持するために必要なランニングコストを軽減するには、さまざまな工夫が必要です。しかし、こうしたノウハウを持たずに経営を始めてしまうと、経費や税金ばかりかさんで利益が全く出せないといった事態に陥りかねません。
ローンの支払いが負担となるから
3つ目の理由はアパートの購入・建設には多額の費用がかかることです。国土交通省の指定で「レインズ」(不動産物件情報交換のネットワーク)の運営を行っている東日本不動産流通機構が出している「首都圏不動産流通市場の動向(2022年)」によれば、中古マンションの物件成約価格の平均は4,276万円でした。
木造・新築の場合でも、最低で7〜8,000万円の費用が必要です。これだけの金額を一括払いできる人は多くありません。そのため、大抵はローンを組んで返済することになります。
最初のうちは、家賃収入の多くが維持費とローンの支払いに費やされます。その間の経済的負担はかなり大きいといえます。
黒字化するまで時間がかかるから
4つ目の理由は黒字化するまで時間がかかることです。先ほども述べたように、マンションの購入や建設には多額の費用が必要です。
それらのコストを回収し、毎月発生するランニングコストを支払うとなると、黒字化するまでにはかなりの時間がかかります。入室率が90%を超えた状態であっても、黒字化までは10年近くかかりますので、短期的に利益を上げられる投資対象ではありません。
アパート経営の収益不振の原因は何?儲からないときの対処法
アパート経営には様々な困難があるとわかりました。それでは、収益不振に陥らずにアパート経営するにはどうすればよいのでしょうか。4つの対処法について解説します。
ターゲットを明確にする
家族なのか単身者なのか、男性なのか女性なのか、入居者のニーズを考えて購入・建設するのが望ましいといえます。たとえば、独身女性をターゲットにするなら安全性や水回りについて配慮することで入居率をアップできます。
30代をターゲットにするなら、家賃は高くても分譲マンション並みの設備を整えた物件でも入居率アップを見込みやすいといえます。反対に、あまり家賃が高い場所に住めない学生や20代前半独身者をターゲットにしているにもかかわらず、家賃が高いハイスペックな物件を用意しても入室率アップは困難です。
広告活動や定期的な修繕に力を入れる
いかに良い物件であろうとも、認知度が低ければ入居希望者が集まりません。不動産会社と良い関係を築き上げ、自分の保有物件の良さをアピールしてもらう施策を考えるべきでしょう。
また、最近はインターネットを使った物件探しも盛んですので、そうした広告に強い不動産会社と提携するのも一つの方法です。中古アパートや建設から年数がたったアパートであれば、こまめに修繕し、入居者の満足度を上げるのも効果的です。
アパート経営が儲からないといわれていても始めるメリット
アパート経営には長期安定収入を得られるというメリットがあります。賃貸物件には事業系と住居系がありますが、事業系は景気の影響を強く受けます。
一度空室になると、住居用よりも次の借り手を見つけるのが難しいため、リスクも大きくなります。それに比べると住居用は需要が安定しているため、長期収入を得るのに適しています。
まとめ
今回はアパート経営が儲からないとされる理由や設けるための秘訣、メリットなどについて解説しました。アパート経営は入居者を高い状態で維持できるかが成功の秘訣です。
そのためには経営を始める前にターゲットを明確にし、入居率を高い状態で維持できるかの見込みを建てることが重要です。しっかりと好物件を見極め、安定した収入を得られるようになれば、アパート経営は経済的に大きな助けとなるでしょう。