アパート経営での年収はどのくらい期待できる?収益性について解説
アパート経営は投資や土地の有効活用ができるポピュラーな手段です。アパート経営を検討する際に気になるのが、どのくらい稼げるのか、家賃収入だけで生活できるのかではないでしょうか。この記事ではアパート経営の平均年収や、年収を上げる方法を紹介するのでぜひ参考にしてください。
アパート経営はどのくらい稼げる?平均年収とは
アパート経営によってどのくらい稼げるかは重要なポイントです。
国税庁の申告所得税標本調査結果によると、令和3年の国内不動産所得の平均額は約542万円と報告されています。令和元年の平均額は約520万円、令和2年の平均額は約540万円と年々増加しているのがわかります。
また、所得階級別の所得金額の構成割合によると、500万円超1,000万円以下が29.6%であることもわかっています。この平均額は不動産所得全体を調査した結果であり、マンションや戸建住宅、ビルの経営も含まれます。
そのため一概にアパート経営の平均年収とはいえませんが、目安にはなるでしょう。不動産所得は収入から経費などを差し引いた所得であり、そこからさらに税金を引いた金額が手取りとなります。
アパート経営において収益になるもの
アパート経営において主に収益となるものは以下の5つです。収益はアパート経営の基盤となるので、内容をよく理解しておきましょう。
家賃
アパート経営で一番大きな収益となるのが家賃です。入居者がいる限りは毎月安定して得られますが、空室の状態が続くとその分収入が減るため、入居者が途切れない工夫が必要といえます。
一般的には翌月分の家賃を当月末までに支払うとされている場合が多く、初めて入居する月には日割り計算になります。
共益費・管理費
共益費・管理費は入居者が共同で使う共用部分の電気代や清掃費用などに使用する費用です。相場は家賃の5~10%程度とされていますが、小規模なアパートの場合は共益費・管理費がない場合も多くあります。
共益費・管理費は収入であり、実際に支払われた電気代や水道代は経費とされます。
礼金
礼金とは契約時に物件の持ち主に対して支払う謝礼金です。一般的には家賃の1~2か月分が多いですが、最近は入居者の負担を軽くするために礼金なしの物件が多くなっています。
敷金も礼金と同じく契約時に支払われますが、退去時に返金義務があるので収益にはあたりません。
更新料
更新料とは、契約期間終了後の更新時に支払う費用です。2年ごとの設定が多く、相場は家賃の1〜2か月分といわれています。
更新料の有無は地域によって差があり、馴染みがない方も多いでしょう。アパート経営の大きな収入となりますが、更新を機に退去してしまうケースも多く、安定的な入居状況を優先させて更新料を設定しない物件も増えています。
駐車場代
アパートに駐車場をつけている場合は、駐車場代も毎月得られる収益になります。月額5,000〜3万円ほどが駐車場代の相場です。
駐車場の需要は地域差が大きく、公共交通機関が充実している都市部では車離れもあり、駐車場よりも部屋数を優先した方がよい場合があります。一方、車が必須の地域では駐車場付きアパートの需要が高いので、地域による見極めが重要です。
アパート経営だけで生活できる?年収を向上させる方法
安定した不動産所得がある方も存在するので、アパート経営のみで生活するのは可能です。しかし経営が安定するには時間がかかるため、初めからアパート経営のみというのは現実的ではありません。そこで年収を向上させる方法をいくつか紹介します。
長期需要が期待できるアパート選び
アパート経営を成功させるには、まず安定した家賃収入を得なくてはなりません。人気の地域、駅が近い、アパートの構造や設備が充実している、周辺の治安がよい物件は需要が高い傾向にあります。
アパートは顧客ターゲットによって需要が変わってきます。学生向けか、単身の社会人向けか、ファミリー向けか、どの層をターゲットとするかあらかじめ考えましょう。
アパートの敷地を有効活用する
アパートの敷地内で事業を始めれば、さらに収入を得られます。たとえば太陽光発電による売電収入です。
新築のアパートの場合は設備をあらかじめ設置するため太陽光発電の導入ハードル は低いといえます。敷地内の駐車場に空きがあれば、外部に貸し出すのも有効な方法です。
アパートの数を増やす
1棟目のアパートの経営状況がよければ2棟目の経営がみえてきます。複数のアパートを経営すれば当然収益が増えますし、複数のアパートを所持していれば建て替え時のリスクを分散できます。
まずは1棟目のアパート経営を円滑に進めるのが優先されますが、年収を向上させる方法のひとつとして念頭におきましょう。
まとめ
近年は投資や土地活用のためにアパート経営を検討する方が増えてきました。国内不動産所得の平均額が542万円である点から、条件によってはアパート経営のみで生活するのも不可能ではありません。
アパート経営で得られる収益や、年収を向上させる方法についても紹介しました。アパート経営は手探りでのスタートになるので簡単とはいえませんが、この記事が経営のヒントになれば幸いです。